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BaaSとは?銀行とITの意味・仕組み・具体例【わかりやすく】

フィンテック

この記事のポイント

BaaSとは、銀行機能をAPI経由で提供する「Banking as a Service」やアプリ開発を効率化する「Backend as a Service」を指し、非金融企業による独自の決済導入や新規事業の早期立ち上げを実現するクラウドサービスの総称です。

BaaSとは?銀行とITの意味・仕組み・具体例【わかりやすく】

「フィンテック」などの言葉を見聞きする中で、BaaSとは何か、その正確な意味を知りたいと考えていませんか。あわせて自社ビジネスへの組み込みによる収益化や、DX加速の具体的なイメージを掴みたいという方も多いはずです。

こうした疑問を解決するために、BaaSの概要や活用シーンをわかりやすく解説します。

本記事の内容

  • BaaSの定義と仕組み
  • 業界別の具体的な導入事例
  • 導入のメリットと手順

BaaSとは、読み方を「バース」と呼び、銀行が持つ金融機能やシステムの基盤をAPI経由で外部企業に提供する仕組みのことです。主な種類には、金融サービスを指す「Banking as a Service」のほかに、アプリ開発を効率化する「Backend as a Service」も存在します。近年では自動車業界におけるバッテリー関連の「Battery as a Service」といった新しい形も登場しており、その定義は多岐にわたるのが特徴。

この記事を読めば、2026年現在の市場動向を踏まえた活用のポイントが分かり、新規事業の立ち上げや顧客体験の向上を実現できます。Supabaseなどの具体的なツールや最新の企業事例とあわせて、ぜひ最後までご覧ください。

BaaSとは?意味と仕組み

BaaS(バース)は、ITや金融の分野で頻繁に使われる言葉です。2026年現在はDXを推進する上で重要な概念となっています。

BaaSが指す主な3つの意味を整理しました。

用語の正式名称主な対象・機能活用シーン
Banking as a Service預金、為替、融資などの銀行機能非金融企業による金融サービスの提供
Backend as a Serviceサーバー側のシステム機能Web・モバイルアプリの開発効率化
Battery as a Serviceバッテリーの交換・共有インフラ電気自動車(EV)の運用

BaaSは特定の機能をクラウド経由で提供する仕組みの総称です。各サービスで役割が異なるため、詳細を解説します。

銀行機能を組み込むサービス

Banking as a Serviceは、銀行が提供する金融機能をAPIを通じて外部企業に提供する仕組みです。非金融企業が自社サービス内で銀行機能を完結させ、顧客体験を向上させるために活用されます。

従来、送金や口座開設を自社で展開するには銀行ライセンスの取得や、膨大なシステム構築を行う必要がありました。BaaSを利用すれば、既存の銀行基盤を部品として活用できます。

BaaSの具体例は以下の通りです。

  • ECサイトが独自のデビットカードを発行する
  • 自社アプリ内でユーザー同士が送金や決済を行う
  • 会計ソフトから直接、銀行振込や残高照会、入金消込の自動化を行う

銀行以外の事業者が自社ブランドの銀行サービスを展開できる点が大きな特徴です。BaaSとは銀行の機能を民主化する画期的な仕組みだと言えます。

システム開発を簡略化するサービス

Backend as a Service(Backend BaaS)は、アプリ開発に必要なサーバー側の機能をクラウドで提供するサービスです。開発者がフロントエンドの制作に集中できるよう、サーバー運用の負担を軽減します。

通常、アプリ開発にはデータベース管理やユーザー認証などの複雑なバックエンド構築が欠かせません。BaaSを利用すると、これらを自前で構築する必要がなくなります。

BaaSで提供される主な共通機能を紹介します。

具体的なサービスにはGoogleのFirebaseや、エンジニアに人気の高いsupabaseなどがあります。これらを利用することで、開発工数とメンテナンスコストを大幅に削減可能です。

バッテリーを共有できるサービス

Battery as a Serviceは、電気自動車(EV)などのバッテリーを所有せずサービスとして利用する仕組みです。車両価格の多くを占めるバッテリー代を切り離すことで、購入時の初期費用を抑えられます。

ユーザーは車体のみを購入し、バッテリーはサブスクリプションで利用します。専用ステーションでフル充電のものと交換する運用も一般的です。

BaaS導入のメリットをまとめました。

  1. 車両の購入コストが下がる
  2. 充電待ちの時間を解消できる
  3. バッテリーのメンテナンスを専門企業に任せられる

2026年の脱炭素社会に向けて、モビリティ業界で非常に重要なキーワードとなっています。

市場で急速に普及している背景

BaaSが普及しているのは、ビジネスのサービス化とソフトウェア化が進んでいるためです。外部の専門機能をAPIで組み合わせる構成が、現代のビジネススピードに適しています。

普及を後押ししている主な要因は以下の通りです。

  • API連携技術の標準化
  • 開発コストの最適化
  • 顧客体験(UX)の重視

金融機関向けのクラウドなど専門的な機能を調達することで、企業は本来注力すべき業務に専念できます。BaaS企業が提供するインフラを活用することが、新規事業の成功に繋がります。

BaaSの具体的な導入事例

BaaSは、銀行機能を提供する「Banking as a Service」やシステム開発を支える「Backend as a Service」など、複数のサービス形態を指す言葉です。2026年現在、これらは企業のDXを加速させる重要な基盤として定着しています。

ここでは、それぞれのBaaSが具体的にどのようなビジネスシーンで活用されているのか、4つの主要な導入事例を挙げて解説します。

小売業の独自決済サービス

小売業におけるBaaS(Banking as a Service)の導入は、顧客の利便性と購買体験を向上させるための有力な手段です。店舗独自の決済基盤を持つことで、顧客データの収集からロイヤリティ施策までを自社主導で展開できるようになります。

従来の小売業では、決済機能を提供するためにクレジットカード会社と提携するのが一般的でした。BaaSを利用することで、自社ブランドの決済手段をより柔軟に構築できます。

  • 自社アプリ内でのデジタルウォレット(電子マネー)発行
  • 銀行口座と連携した即時チャージおよび決済
  • 顧客の購買履歴に応じた融資(BNPL:後払い)や、独自サービスの提供

小売業者がBaaSを導入する最大の理由は、顧客接点の強化とデータの活用です。自社で決済手段を持つことで、顧客の購買行動を詳細に把握し、最適なタイミングでクーポンを発行するなどの施策が可能になります。

外部の決済手数料を削減できるメリットも魅力です。銀行ライセンスを自社で保有せずとも、外部の金融基盤を活用することで独自の経済圏を構築できます。

航空会社のアプリ内銀行

航空会社もBaaSを積極的に活用し、自社アプリを生活プラットフォームへと進化させています。航空会社は決済や外貨両替といった金融ニーズと非常に親和性が高いのが特徴です。

BaaSを活用することで、航空チケットの予約だけでなく、旅先での支払いまでを一気通貫でサポートしています。

項目従来のモデルBaaS導入後のモデル
決済手段他社発行のカードが中心自社アプリ内の口座・デビット
通貨対応銀行や両替所での準備アプリ内での多通貨リアルタイム両替
顧客特典搭乗によるマイル付与のみ決済額に応じたマイル付与と利用

このように、航空会社はBaaSを利用して「アプリ内銀行」に近い機能を提供しています。利用者は旅行の準備から現地での決済、帰国後のポイント管理までを一つのアプリで完結できるため、非常に高いUXを享受できるでしょう。

金融機能を自社サービスに埋め込むことで、顧客の囲い込み効果を最大化させています。

IT企業向け開発プラットフォーム

IT業界においてBaaSという言葉が使われる場合、その多くは「Backend as a Service」を指し、開発チームがサーバー管理から解放されて機能実装に専念できるよう支援します。

IT企業やスタートアップが、限られたリソースで素早くサービスを立ち上げるために、BaaSは不可欠な存在となっています。

  1. 認証機能:ユーザー登録やSNS連携ログインを容易に実装できる
  2. データベース管理:サーバー構築をせずにクラウド上でデータを安全に保存できる
  3. ストレージ:画像や動画などの大きなファイルをAPIを通じて簡単に取得できる
  4. プッシュ通知:複雑なコードなしでユーザーの端末にメッセージを届けられる

代表的なプラットフォームにはSupabaseやFirebaseなどが挙げられます。これらを利用することで、開発者はサーバー運用などのインフラ管理から解放され、フロントエンドのデザインや機能開発に集中できるでしょう。

Backend as a Serviceは、開発工数の大幅な削減と製品の市場投入スピードの向上を同時に実現する戦略的なソリューションです。

自動車メーカーのバッテリー交換サービス

自動車業界、特に電気自動車の分野においては、「Battery as a Service」や「Banking as a Service」を融合させた新しいビジネスモデルが登場しています。EVの車両本体とバッテリーを切り離し、バッテリーをサブスクリプションや交換式で提供するモデルです。

決済や契約管理の基盤として、金融機能を組み込むBaaSの仕組みが重要な役割を果たしています。

  • 車両購入時はバッテリー代金を含まないため、初期費用を低く抑えられる
  • 劣化したバッテリーは交換ステーションで短時間で交換可能
  • 利用料金は走行距離や期間に応じ、BaaS経由の自動決済で支払われる

このモデルの利点は、EV普及の壁となっている車両価格の高さや充電時間の長さという課題を解決できる点にあります。自動車メーカーは、BaaSを活用してシームレスな決済基盤を構築しています。

利用者が意識することなくバッテリーのサブスクを継続できる環境を整えています。2026年の現在、モビリティと金融が高度に融合したこの形態は、移動手段のサービス化を支えるインフラとして広く認知されました。

BaaS(バース)とは

ここまで紹介した4つの事例からも分かるように、BaaSは金融とITの両分野で活用が進んでいます。次の章では、Banking as a ServiceとBackend as a Serviceを導入することで企業が得られる具体的なメリットを詳しく紹介します。

BaaSを導入するメリット

BaaSを導入する最大の利点は、金融業界の課題を解決しつつ、外部の専門機能を活用して自社のリソースをコア業務に集中できることです。金融機能(Banking)やシステム基盤(Backend)を自社でゼロから構築する必要がなくなるため、ビジネスの競争力が大幅に向上します。

ここからは、BaaSの導入がもたらす4つの主要なメリットについて、具体的な企業事例や仕組みに触れながら解説します。

顧客体験を向上できる

BaaSの導入によって、ユーザーに提供する利便性や満足度、いわゆる顧客体験を飛躍的に高めることが可能です。

Banking as a Serviceや金融向けCRMを活用すれば、自社サービス内に決済や口座管理などの銀行機能を直接組み込めます。これを具体例として「エンベデッド・ファイナンス」と呼び、ユーザーは別のアプリに移動せず、一つの画面内で全ての取引を完結できるのが特徴です。

一方でBackend as a Serviceを利用すれば、プッシュ通知や高度なデータ同期機能を簡単に実装できます。FirebaseやSupabaseといった具体的なサービスを使えば、ユーザーに対してストレスのない快適な操作感を提供できるはずです。

新規事業を早く立ち上げられる

BaaSを活用することで、新しいビジネスを市場に投入するまでの時間を劇的に短縮できます。

例えば銀行機能を伴う事業を始める際、従来はライセンス取得やシステム構築に数年単位の時間が必要でした。しかし、オープンAPIなどを通じて銀行やBaaS企業が提供する機能を連携させるだけで済むため、数ヶ月でのスピード立ち上げが実現します。

IT開発においてもサーバー構築などのバックエンド処理を省略できるため、サービスの早期リリースが可能です。自社開発とBaaS利用の違いを表にまとめました。

比較項目自社一括開発BaaS利用
着手までの期間長期(インフラ構築が必要)短期(API連携ですぐ開始)
専門ノウハウ高度な知識の確保が必要提供側の知見を活用可能
市場投入スピード遅い非常に早い

このように、ビジネスチャンスを逃さず迅速に検証を行えるのがBaaSの強みです。

開発の負担を減らせる

BaaSを導入すると、エンジニアの工数やシステム運用に伴う心理的な負担を大幅に削減できます。

Backend as a Serviceでは、ユーザー認証やデータベースの運用管理、クラウドストレージの提供、セキュリティ対策や負荷分散といった機能がクラウド側で提供されます。

複雑な裏側の処理をベンダーに任せられるため、開発者はアプリ独自の価値を作る作業に専念でき、銀行の業務効率化にも貢献します。銀行機能の提供においても、法令対応やシステムの維持を銀行側が担うため、導入企業の運用負荷は最小限で済みます。

新たな収益を生み出せる

BaaSは、既存のビジネスモデルを超えた新しい収益源の創出に大きく貢献します。

Banking as a Serviceを導入した企業は、自社ブランドを通じて決済手数料や利息などの収益を得ることが可能です。顧客との接点を「販売」から「金融サービス」へ広げることで、顧客一人あたりから得られる生涯価値を高めることができます。

Backend as a Serviceの活用も、開発コストを抑えつつ多機能なサービスを展開できるため、投資対効果の向上につながります。2026年のビジネス環境において、BaaSは収益モデルを再構築するための不可欠なプラットフォームといえるでしょう。

BaaSとは?金融とITの2つの意味をわかりやすく解説

BaaSは、金融機関の機能を提供するBanking as a Serviceと、アプリ開発の基盤となるBackend as a Serviceという2つの側面を持つ言葉です。ここでは、実際に自社へ導入する際の具体的なステップを5つに分けて解説します。

①:解決したい課題を明確にする

BaaS導入の第一歩は、現在の事業や開発において解決したい課題を言葉にすることです。Backendの機能を指すか銀行機能を指すかによって、選ぶべきサービスが大きく変わります。

金融系のBaaS具体例としては、自社アプリ内での決済完結や独自ブランドカードの発行による顧客データの活用が挙げられます。一方、システム開発ではサーバー管理コストの削減やフロントエンド開発への集中が主な目的です。

②:目的に合うプラットフォームを選ぶ

解決したい課題を定義したら、次は最適なプラットフォームの選定に映ります。BaaS企業が提供する機能の豊富さだけでなく、自社の技術スタックや事業規模との相性を比較することが重要です。

BaaSの種類代表的なプラットフォーム主な提供機能
金融系(Banking)Stripe、住信SBIネット銀行など決済、口座、振込、カード発行
システム系(Backend)Firebase、Supabase、AWSなど認証、DB、ストレージ、通知

プラットフォームを選ぶ際は、提供されるAPIの仕様が自社システムと連携しやすいかを確認してください。将来的な拡張性やコスト体系が、2026年以降の事業計画に見合っているかも判断材料となります。

③:事業に関連する法規制を調べる

BaaSを利用して金融機能を扱うなら、関連する法規制の確認は欠かせません。非金融事業者が銀行サービスなどの機能を提供する場合、改正銀行法や資金決済法の遵守が求められるからです。

電子決済等代行業の登録やeKYCの要件、与信管理のシステム整備、個人情報保護法に基づくデータ管理が適切かを確認しましょう。法規制を無視すると事業停止のリスクがあるため、専門家の助言を得るなど慎重な調査が必要です。

④:API連携でシステムを構築する

プラットフォームと法規制の確認後は、実際のシステム構築をスタートさせます。地方銀行のDX推進などでも活用されるように、APIを通じてBackendや銀行の機能を呼び出せるのがBaaSの仕組みであり、自前で複雑なロジックを組む必要はありません。

プラットフォームが提供するSDKを活用し、APIリクエストに対するレスポンスが正しいかテストを繰り返します。API連携により開発期間を短縮できれば、ユーザー体験の向上にリソースを集中させることが可能です。

⑤:セキュリティ体制を整える

最後に、運用フェーズを見据えたセキュリティ体制の構築を行います。BaaSベンダー側も対策を講じていますが、利用側にも責任共有モデルに基づいた管理責任が生じるためです。

APIキーのアクセス権限を最小限に絞り、不正アクセスや異常なログがないか継続的に監視してください。2026年のビジネス環境ではセキュリティが信頼の要となるため、万全の守りを固めることが持続的な運営に繋がります。

まとめ:BaaSとは自社サービスに金融機能を組み込める仕組み

BaaSとは「Banking as a Service」の略称で、読み方はバースです。2026年現在のビジネスシーンにおいて、銀行が提供する機能を自社サービスに組み込む仕組みは、DX推進の重要なカギとなります。

IT分野ではBackend as a Serviceを指すこともありますが、近年は銀行機能を指すケースが一般的です。バッテリー分野のBattery as a Serviceも含め、サービス化の流れは加速しています。

本記事のポイント

  • BaaSとは銀行の機能をクラウドサービスとして提供する仕組みのこと
  • システムの開発効率向上や顧客体験の改善、さらには新たな収益源を確保できる
  • 導入には法令遵守や適切なプラットフォーム選定、SupabaseのようなBackendの知識も役立つ

この記事を通してBaaSの全体像を把握し、自社ビジネスへ応用するイメージが明確になったはずです。具体的な企業事例やBackendの構成を知ることで、システム構築のハードルも正しく理解できるでしょう。

競合他社に先んじて革新的な顧客体験を作りたい方は、ぜひ専門家へ相談してください。まずは複数のプラットフォームを比較し、自社に最適な具体例を検討するのが得策です。

「BaaSとは」についてのよくある質問

参考文献

  1. BaaS事業 | サービス - NEOBANK 住信SBIネット銀行
  2. BaaS提携 - NEOBANK 住信SBIネット銀行
  3. BaaS提携サービス - NEOBANK 住信SBIネット銀行

執筆者

Tech With 編集部
Tech With 編集部

編集部

クロステック(産業×テクノロジー)の専門メディア「Tech With」の公式編集部です。多角的なリサーチと、各バーティカル(建設・農業・金融等)の現場キーマンへの丁寧な取材を通じ、DX推進や先端技術導入の全体像を分かりやすく体系化して皆さまにお届けします。

監修者

Tech With リサーチチーム
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リサーチチーム

クロステック(産業×テクノロジー)の市場動向や先端事例、補助金情報などを多角的に調査・分析する専門チーム。AIを活用した網羅的リサーチと、現場取材に基づく一次データを組み合わせ、ビジネスの意思決定を支援する独自レポートや体系的なガイドラインの作成・監修を行っています。

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