Tech With

ダイレクトリクルーティングツールの選び方と費用相場を解説

HRテック

この記事のポイント

ダイレクトリクルーティングツールは、求職者へ直接スカウトを送るスカウト型採用を支えるシステム。求職者を検索するプラットフォーム型と業務を任せる代行型があり、料金は成功報酬型と定額型に分かれる。目的と予算に合わせて選ぶことが成功の鍵となる。

ダイレクトリクルーティングツールの選び方と費用相場を解説

「ダイレクトリクルーティングツールを導入したいけれど、サービスが多すぎてどれを選べばいいのか分からない。費用が見合うのか、入れただけで採用がうまくいくのかも不安」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • ダイレクトリクルーティングツールの仕組みと種類
  • 目的に合ったツールの選び方
  • 料金体系と費用相場の目安

ダイレクトリクルーティングツールとは、企業が求職者へ直接スカウトを送るスカウト型採用を支えるシステムです。目的と予算に合ったものを選べば、狙った人材へ効率よくアプローチできます。

自社の採用課題に合うツールを見極めれば、採用単価を抑えながら質の高い母集団を形成できます。本記事を読み進めれば、数あるサービスから自社に必要なツールを判断する基準が身につきます。

ダイレクトリクルーティングツールとは

ダイレクトリクルーティングツールとは、企業が求職者へ直接アプローチするスカウト型採用を支えるシステムであり、採用dxとは何かを実践する有力な手段です。求職者データベースの中から自社の要件に合う人材を検索し、スカウトを送って選考へつなげます。従来の待ちの採用から、企業みずから動く攻めの採用へ切り替える手段として広がっています。

ここでは仕組みや注目される背景、従来手法との違い、導入に向いている企業を整理します。

スカウト型採用を支えるツールの仕組み

ダイレクトリクルーティングツールは、求職者のデータベースを保有する事業者と契約し、その人材プールから自社に合う候補者を探してスカウトを送る仕組みです。企業が候補者を検索し、メッセージを送り、返信をもらって面談へ進める一連の流れを一つの画面で管理できます。

ツールの多くは、候補者の職種や経験、スキルで絞り込む検索機能や、スカウト文面のテンプレート、送信状況や返信率を確認する分析機能を備えます。これにより、担当者は狙った層へ効率よくアプローチできます。

ダイレクトリクルーティングツールが注目される背景

背景にあるのは、人手不足と人材獲得競争の激化です。矢野経済研究所の調査では、ダイレクトリクルーティングサービス市場は2023年度に事業者売上高ベースで前年度比23.2パーセント増の1,074億円となり、2024年度は1,275億円へ拡大すると見込まれています。

利用も広がっており、マイナビの調査では企業の利用率が2022年の34.1パーセントから2024年には36.5パーセントへ上昇しました。求人広告や人材紹介だけでは狙った人材の採用母集団形成がしにくくなり、要件に合う人へ直接声をかけられる手法へ関心が集まっています。近年は地方の中小企業や自治体にも需要が広がっています。

求人媒体や人材紹介との違い

ダイレクトリクルーティングは、企業から候補者へ声をかける点で従来手法と異なります。求人媒体は転職サイトに求人を載せて応募を待つ方法で、母集団を大きく集めやすい一方、要件に合わない応募も混ざりやすくなります。人材紹介は紹介会社が候補者を選んで紹介するため手間は少ないものの、成功報酬は採用者の想定年収の35から40パーセントが相場とされます。

次の表に主な違いをまとめます。

比較軸ダイレクトリクルーティング求人媒体人材紹介
アプローチ企業から候補者へ応募を待つ紹介会社が仲介
母集団の質要件に合う層を選べる質にばらつき質は高い
主な費用利用料や成功報酬掲載料年収の35〜40パーセント
運用の手間大きい中程度小さい

導入に向いている企業の特徴

ダイレクトリクルーティングツールは、採用したい人物像が明確で、自社から積極的に動ける企業に向いています。専門職や即戦力など、応募を待つだけでは出会いにくい人材を狙う場合に効果を発揮します。

一方で、スカウト業務には一定の運用リソースが必要です。担当者を確保でき、社内でノウハウを蓄積しながら継続して取り組める体制があるほど、成果につながりやすくなります。採用コスト削減を進めたい企業にとっても有力な選択肢です。

ダイレクトリクルーティングツールの種類と特徴

ダイレクトリクルーティングツールは、大きく分けて自社で運用するプラットフォーム型と、業務を任せる代行型があります。さらに対象とする層によって、中途向け、新卒向け、エンジニアやハイクラスに特化したものへ分かれます。自社の採用課題に合うタイプを見極めることが選定の第一歩です。

ここでは主な種類ごとの特徴を紹介します。

求職者を検索できるプラットフォーム型

プラットフォーム型は、求職者データベースを企業みずから検索し、スカウトを送るスカウト型採用ツールです。総合型とも呼ばれ、幅広い業界や職種に対応します。初めて導入する企業や、多様な人材を採用したい企業に向いています。

このタイプは登録者数が多く、狙った層へ自由にアプローチできる点が魅力です。一方で、検索やスカウト送信、返信対応を自社で行うため、運用の手間と担当者の確保が前提になります。

スカウト業務を任せられる代行型

代行型は、スカウト文面の作成や送信、返信対応、面談調整までを外部の専門会社に任せられるタイプです。スカウト媒体は自社で契約し、その運用を代行会社が担う形が一般的です。

社内にスカウトのノウハウや人手が足りない企業に向いています。運用工数を大きく減らせる一方、費用は上乗せになるため、自社運用と外部委託のどちらが費用対効果に見合うかを見極める必要があります。

中途向けと新卒向けの違い

ツールは対象とする採用市場によって登録者層が異なります。中途向けは即戦力や経験者が中心で、職種や年収帯で細かく絞り込めるものが多くあります。新卒向けは在学中の学生が登録し、早期からの接点づくりやインターン誘導に活用しやすい設計です。

次の表に主な違いを整理します。

比較軸中途向けツール新卒向けツール
登録者経験者や即戦力在学中の学生
重視される要素スキルや実績志向や成長性
主な活用欠員補充や事業拡大早期接点やインターン誘導

エンジニアやハイクラスに強い特化型

特化型は、特定の職種や層に絞って登録者を集めたツールです。エンジニア向けにはGreenやLabBaseなど、技術者が多く集まるサービスがあります。ハイクラス向けにはビズリーチのように、管理職や専門性の高い層が登録するサービスがあります。

特化型は母集団の質が高く、狙った人材へ効率よく届く点が強みです。近年はAIがスカウト文面の作成や候補者との相性分析を支援し、運用工数を減らすツールも増えています。

ダイレクトリクルーティングツールの選び方

自社に合うダイレクトリクルーティングツールを選ぶには、登録者層、母集団の量と質、サポート、既存フローとの連携という視点が欠かせません。サービス数が多いため、比較の軸を決めておくと迷いにくくなります。

ここでは選定時に確認したい四つのポイントを紹介します。

採用ターゲットが登録されているかを見る

最初に確認したいのは、自社が求める人材がそのツールに登録されているかどうかです。ツールごとに登録者層は異なり、中途か新卒か、職種や業界、年収帯によって得意分野が分かれます。

専門性の高い職種や特定業界を狙うなら、その分野に強い特化型を選ぶと出会いの精度が上がります。総合型は幅広く対応できるため、多様なポジションを同時に採用したい企業に向いています。

スカウトできる母集団の量と質を確かめる

狙った層が登録していても、人数が少なければスカウトを送りきれません。登録者数だけでなく、直近でログインしている転職活動中の候補者がどれだけいるかを確認することが大切です。

返信率も見ておきたい指標です。スカウトの返信率は媒体によって差があり、一般的には数パーセントから10パーセント前後とされます。無料トライアルで実際の検索結果や候補者数を確かめると、導入後のギャップを防げます。

運用サポートの手厚さを比べる

スカウト業務は文面作成から送信、PDCAまで手間がかかります。採用担当者が1名から2名の企業では、すべてを自社でこなすのは難しい場合があります。

専任担当がターゲット設定やスカウト文面の改善を助けてくれるカスタマーサクセス体制があると、成果につながりやすくなります。社内リソースが足りないときは、スカウト代行や採用代行を併用する選択肢も検討するとよいでしょう。

既存の採用フローとの連携を確認する

複数の採用手法を使う企業では、応募者情報が分散しがちです。ATS(採用管理システムとは)と連携できるツールなら、求人媒体や人材紹介、ダイレクトリクルーティングの候補者情報を一つにまとめて管理できます。

選考の進捗や連絡履歴を一元化できると、対応漏れや二重連絡を防げます。導入前に、自社が使っているシステムや採用フローと無理なくつながるかを確認しておくと安心です。

ダイレクトリクルーティングツールの料金体系と費用相場

ダイレクトリクルーティングツールの料金は、大きく成功報酬型と定額型に分かれます。それぞれ費用の発生タイミングや相場が異なるため、採用計画に合った体系を選ぶことが費用対効果を左右します。

ここでは代表的な二つの料金体系と、費用対効果の見極め方を解説します。

成功報酬型の仕組みと相場

成功報酬型は、採用が決まったときにだけ費用が発生する体系です。中途採用では採用者の想定年収の15から25パーセント程度、新卒採用では1人あたり30万円から40万円ほどが相場とされます。

採用に至らなければ費用がほぼかからないため、まず1名から2名だけ試したい企業でも始めやすい点が魅力です。一方で採用人数が増えるほど支払総額が膨らむため、大量採用では割高になる場合があります。

定額型の仕組みと相場

定額型は、利用期間に応じて料金を払う体系で、採用人数が増えても費用は変わりません。中途採用では年間300万円から400万円、新卒採用では年間60万円から150万円ほどが目安です。初期費用は0円から60万円程度で、無料で始められるサービスもあります。

多く採用するほど1人あたりの単価は下がります。年間150万円のプランで5名採用すれば単価は30万円、10名なら15万円と、採用数が多いほど投資対効果が高まります。

費用対効果を見極めるポイント

ダイレクトリクルーティングは、人材紹介と比べて採用単価を抑えやすい手法です。ある調査では2024年の人材紹介の平均費用が約372万円だったのに対し、ダイレクトリクルーティングは約233万円でした。1名あたり20万円から30万円ほど削減できた例も報告されています。

ただし、費用にはツール利用料だけでなく、スカウト運用にかかる人件費も含まれます。次の表で二つの体系を比べ、自社の採用人数や期間に照らして判断するとよいでしょう。

比較軸成功報酬型定額型
費用発生採用決定時利用期間中
少人数採用割安になりやすい割高になりやすい
大量採用割高になりやすい単価が下がる
向く企業まず試したい企業継続採用する企業

まとめ:ダイレクトリクルーティングツールは目的と予算で選ぶことが成功の鍵

ダイレクトリクルーティングツールの仕組みや種類、選び方、料金体系と費用相場について解説してきました。スカウト型採用を支えるツールは、自社の採用課題に合わせて選ぶことが何より大切です。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • ツールにはプラットフォーム型と代行型があり対象層も異なる
  • 選ぶ際は登録者層と母集団、サポート、連携を確認する
  • 料金は成功報酬型と定額型があり採用計画に応じて選ぶ

自社の目的と予算に合ったツールを選べば、採用単価を抑えながら狙った人材と出会えます。求人媒体や人材紹介に課題を感じている企業ほど、導入の効果を実感しやすいはずです。

ダイレクトリクルーティングツールの選び方や費用について、より詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

ダイレクトリクルーティング ツールに関するよくある質問

参考文献

  1. 人材確保対策|厚生労働省
  2. 雇用動向調査|厚生労働省
  3. 労働市場分析レポート|厚生労働省

執筆者

Tech With 編集部
Tech With 編集部

編集部

クロステック(産業×テクノロジー)の専門メディア「Tech With」の公式編集部です。多角的なリサーチと、各バーティカル(建設・農業・金融等)の現場キーマンへの丁寧な取材を通じ、DX推進や先端技術導入の全体像を分かりやすく体系化して皆さまにお届けします。

監修者

Tech With リサーチチーム
Tech With リサーチチーム

リサーチチーム

クロステック(産業×テクノロジー)の市場動向や先端事例、補助金情報などを多角的に調査・分析する専門チーム。AIを活用した網羅的リサーチと、現場取材に基づく一次データを組み合わせ、ビジネスの意思決定を支援する独自レポートや体系的なガイドラインの作成・監修を行っています。

関連記事

HRテック

勤怠管理アプリのおすすめは?選び方と機能・比較のコツを解説

勤怠管理アプリとは、スマホやタブレットで打刻や集計を行うサービスです。機能やメリット、無料と有料の違い、選び方までわかりやすく解説します。

Tech With 編集部
HRテック

労務管理の効率化とは?方法と進め方・成功のコツを徹底解説

労務管理の効率化とは、業務の見直しとシステム活用で負担を減らす取り組みです。非効率の原因や効率化の方法、進め方までわかりやすく解説します。

Tech With 編集部
HRテック

リファラル採用ツールおすすめ比較|機能・費用・選び方を解説

リファラル採用ツールの種類や機能、導入メリット、費用相場を整理。自社の課題に合う選び方までわかり、施策の形骸化を防いで定着率を高められます。

Tech With 編集部
HRテック

エンゲージメントサーベイとは?目的・質問項目・進め方を解説

エンゲージメントサーベイとは従業員の貢献意欲を数値化し組織課題を可視化する調査。満足度調査との違いや質問項目、改善までの進め方を解説します。

Tech With 編集部
HRテック

従業員エンゲージメント向上の方法とは?施策と測定方法を解説

従業員エンゲージメント向上とは、その意味や3つの要素、メリット、具体的な施策、サーベイによる測定と改善の進め方までわかりやすく解説します。

Tech With 編集部
HRテック

採用管理システムとは?機能・メリット・費用をやさしく解説

採用管理システムとは何かを、機能や導入メリット・デメリット、費用相場、選び方まで解説します。自社に必要か判断する材料にお役立てください。

Tech With 編集部

業界の最新情報をメールで受け取る

週1回、注目の調査記事・ウェビナー・ホワイトペーパー情報を編集部がお届けします。

メルマガ登録

広告掲載・タイアップのご相談

記事広告・ホワイトペーパー配布・共催ウェビナーなど、リード獲得につながる多様な広告メニューをご用意しています。

広告掲載のご相談