採用コスト削減の方法5選|計算方法と相場・注意点を徹底解説
この記事のポイント
採用コスト削減は外部コストと内部コストに分けて内訳を把握し、採用単価を計算して相場と比較することが起点。リファラル採用や採用管理システムの活用で、質を保ちながら採用単価を下げられます。
「採用にかかるコストをどう削減すればいいのか。ただ費用を削るだけでは、応募が減ったり採用の質が落ちたりしないか不安」。こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 採用コストの内訳と2つの種類
- 採用単価の計算方法と相場
- 採用コストを削減する具体的な方法
採用コストの削減は、まず内訳を把握して無駄を特定し、外部コストと内部コストの両面から手法を見直すことで実現できます。
現状を数値でつかめば、採用の質を保ちながら着実にコストを下げられます。自社の採用単価に削減余地があるか、この記事で確かめてみてください。
採用コストの内訳と2つの種類
採用コスト削減の第一歩は、費用の内訳を正しく把握することであり、採用dxとは何かを考えるうえでも重要な視点となります。採用コストは大きく外部コストと内部コストの2つに分かれ、支払先の違いで見分けられます。どこにいくらかかっているかを分解できれば、削るべき費用が見えてきます。
外部コストに含まれる費用
外部コストとは、社外のサービスや媒体を利用する際に支払う費用のことです。金額が請求書として残るため、把握しやすく「見えるコスト」と呼ばれます。
主な外部コストには次のものがあります。
- 求人広告の掲載費用
- 人材紹介会社に支払う成功報酬
- 会社説明会や面接の会場利用料
- 採用管理システムやオンライン面接ツールの利用料
- 会社案内やパンフレットなどの制作費
外部コストは採用単価を押し上げやすい項目です。求人広告費や人材紹介の手数料が採用予算の大半を占めるケースも珍しくありません。
内部コストに含まれる費用
内部コストとは、自社内で発生する費用を指します。人件費が中心で金額として表に出にくいため、見落とされがちな「見えにくいコスト」です。
主な内部コストには次のものがあります。
- 採用担当者や面接官の人件費
- 説明会や選考にかかる担当者の交通費や宿泊費
- 候補者に支給する交通費
- リファラル採用のインセンティブ
内部コストは工数として消えてしまうため、削減余地が残っていても気づきにくい性質を持ちます。担当者の作業時間を可視化すると、意外な無駄が見つかることもあります。
外部コストと内部コストの見分け方
2つのコストは、費用が誰に支払われるかで判断できます。社外の業者や媒体に支払うものが外部コスト、社内で発生する人件費や経費が内部コストです。
外部コストと内部コストの違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 外部コスト | 内部コスト |
|---|---|---|
| 支払先 | 社外の業者や媒体 | 社内 |
| 費用の性質 | 見えるコスト | 見えにくいコスト |
| 代表例 | 求人広告費、人材紹介手数料 | 人件費、交通費 |
| 把握のしやすさ | 請求書で把握しやすい | 工数に埋もれ把握しにくい |
外部コストと内部コストを合算したものが、自社の本当の採用コストです。両方を切り分けて可視化することで、削減の優先順位を立てられます。
採用単価の計算方法と相場
採用コストを削減するには、まず自社の採用単価を数値で把握する必要があります。採用単価とは1人を採用するためにかかった費用のことです。相場と比較すれば、削減の余地があるかどうかを判断できます。
採用単価を求める計算式
採用単価は、採用にかかった費用の総額を採用人数で割って計算します。式にすると次のとおりです。
採用単価 =(外部コスト + 内部コスト)÷ 入社決定人数
分母は内定者数ではなく、実際に入社が決まった人数で計算するのが一般的です。内定辞退を含めてしまうと単価が実態より低く見え、正確な把握ができません。外部コストと内部コストを両方含めることで、本当の採用単価が見えてきます。
正社員と中途採用の相場
採用単価の相場は雇用形態や職種によって大きく異なります。2026年時点の主な相場は次のとおりです。
| 区分 | 1人当たりの採用単価の目安 |
|---|---|
| 新卒採用 | 約90万〜100万円 |
| 中途採用 | 約100万〜130万円 |
| ITエンジニアなど専門職 | 200万〜300万円に達する場合もある |
| アルバイト・パート | 約5万〜7万円 |
即戦力人材の不足を背景に、中途採用の単価は上昇傾向にあります。専門性の高い職種ほど高額になりやすい点が特徴です。
自社の採用コストを相場と比べる視点
相場はあくまで目安であり、そのまま自社に当てはまるわけではありません。職種や採用チャネル、地域によって適正な水準は変わります。
比較するときは次の点を意識します。
- 同じ職種や雇用形態の相場と照らし合わせる
- 外部コストと内部コストの比率を確認する
- 前年の自社実績と比べて推移を見る
相場より高い場合は、どの費用が突出しているかを分解して原因を探ります。単価の高さそのものより、その内訳に無駄がないかを見ることが削減の出発点です。
採用コストが増えてしまう主な原因
採用コストを削減するには、なぜ費用が膨らむのかを理解する必要があります。原因を放置したまま表面的に予算を削ると、応募減や採用の質低下を招きます。多くの企業に共通する3つの原因を押さえておきましょう。
採用手法が自社に合っていない
効果の低い採用手法に費用を投じ続けると、成果に見合わない外部コストが積み上がります。求人広告を出しても応募が集まらない、人材紹介に頼りきりで手数料が高止まりする、といった状態です。
2026年の採用市場は売り手市場が続き、有効求人倍率が高水準で推移しています。1人の候補者を複数の企業が奪い合う構図が、採用単価を押し上げる要因になっています。自社に合わないチャネルを見直さないままだと、費用対効果はさらに悪化します。
選考プロセスが長く工数がかかる
面接の回数が多過ぎたり日程調整に時間がかかったりすると、採用担当者の人件費という内部コストがかさむため、ai面接ツールの活用も視野に入ります。選考が長引くほど候補者の離脱も増え、採用効率が下がります。
選考プロセスの長期化は次のような形で費用を押し上げます。
- 面接官の対応時間が増え人件費が膨らむ
- 候補者が他社に流れ再募集が必要になる
- 内定までの期間が延び機会損失が生じる
入社後のミスマッチによる早期離職
採用時のミスマッチが原因で早期離職が起きると、それまでに投じた広告費や人件費、研修費がすべて無駄になります。欠員を埋めるために、再びゼロから採用活動を始めることになります。
マイナビの調査では、2024年の中途採用費用は1社あたり平均650万円を超え、前年から増加しました。離職による採り直しは、この負担をさらに重くします。採用をゴールにせず、入社後の定着まで視野に入れることが、結果的に採用単価を下げる鍵になります。
採用コストを削減する具体的な方法
採用コスト削減は、現状把握のあとに打ち手を選ぶ流れで進めます。外部コストと内部コストのどちらに無駄が多いかで、優先すべき施策は変わります。ここでは効果の高い5つの方法を紹介します。
現状の採用コストの無駄を洗い出す
削減の出発点は、今かかっている費用の棚卸しです。チャネルごとに採用単価を算出し、成果に見合わない費用がないかを確認します。
具体的には次の手順で無駄を特定します。
- 求人広告や人材紹介などチャネル別に費用と採用人数を集計する
- チャネルごとの採用単価を計算して費用対効果を比べる
- 応募が少ないのに費用が高いチャネルを削減候補にする
数値で比較すると、感覚では気づけなかった無駄が見えてきます。
リファラル採用やダイレクトリクルーティングを活用する
外部コストを抑えるには、高額な媒体費や成功報酬に頼らない採用手法への切り替えが有効です。代表的なのが、リファラル採用ツールなども使われるリファラル採用とダイレクトリクルーティングです。
リファラル採用は社員に知人を紹介してもらう手法で、広告費や紹介手数料を大きく減らせます。自社を知る社員の推薦のため、入社後の定着率が高い点も利点です。ダイレクトリクルーティングは企業から候補者へ直接アプローチする手法であり、ダイレクトリクルーティングツールを活用すれば人材紹介の成功報酬をカットできます。人材紹介では1人あたり100万円を超える費用が発生することもあり、切り替えによる削減効果は小さくありません。
求人広告の費用を見直して外部コストを抑える
求人広告は外部コストの中でも比重が大きい項目です。応募が集まらないまま出稿を続けると、費用だけが積み上がります。
求人広告の費用を抑えるポイントは次のとおりです。
- 求める人物像に合わせて求人原稿を改善しターゲット外の応募を防ぐ
- 効果の低い媒体を停止し実績のある媒体に予算を集中する
- 自社の採用サイトを整備して媒体依存を減らす
原稿とチャネルを見直すだけで、同じ予算でも応募の質を高められます。
採用管理システムで内部コストを削減する
見落とされがちな内部コストの削減には、採用管理システム(ATS)の活用が効果的です。ATSは応募者情報の管理や日程調整、候補者への連絡を一元化し、自動化するツールです。
手作業で行っていた業務を自動化することで、採用担当者の工数を大きく減らせます。2026年の調査では、ATS導入企業が採用単価を大幅に削減した事例も報告されています。担当者がコア業務に集中できるようになり、内部コストの圧縮につながります。ツールの利用料はかかりますが、工数削減による効果がそれを上回るケースが多く見られます。
入社後の定着を高めて採用単価を下げる
早期離職を防ぐことは、長期的に見た採用コスト削減の要です。ミスマッチによる離職が起きると、それまでの費用が無駄になり、採り直しの費用も発生します。
定着率を高めるには次の取り組みが有効です。
- 選考段階で仕事内容や社風を正確に伝えミスマッチを防ぐ
- 内定後のフォローを徹底して辞退を減らす
- 入社後のオンボーディングで早期の立ち上がりを支える
採用をゴールにせず定着まで見据えることで、1人あたりの採用単価を実質的に下げられます。
まとめ:採用コスト削減は現状把握と手法の見直しから始まる
本記事では、採用コストの内訳と2つの種類から、採用単価の計算方法と相場、コストが増える原因、そして具体的な削減方法までを解説しました。採用コスト削減は、思いつきで費用を削るのではなく、現状を数値で把握してから打ち手を選ぶことが大切です。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 採用コストは外部コストと内部コストに分けて把握する
- 採用単価を計算し相場と比べて削減余地を見極める
- 手法の見直しと定着率向上で質を保ちながら削減する
これらを実践すれば、応募の質を落とさずに採用単価を下げられます。外部コストと内部コストの両面から見直すことで、無理のないコスト削減が可能になります。
自社に合った削減の進め方に迷ったときは、お気軽にご相談ください。具体的な進め方をまとめた資料もご用意しています。
採用 コスト 削減に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
クロステック(産業×テクノロジー)の専門メディア「Tech With」の公式編集部です。多角的なリサーチと、各バーティカル(建設・農業・金融等)の現場キーマンへの丁寧な取材を通じ、DX推進や先端技術導入の全体像を分かりやすく体系化して皆さまにお届けします。
監修者
リサーチチーム
クロステック(産業×テクノロジー)の市場動向や先端事例、補助金情報などを多角的に調査・分析する専門チーム。AIを活用した網羅的リサーチと、現場取材に基づく一次データを組み合わせ、ビジネスの意思決定を支援する独自レポートや体系的なガイドラインの作成・監修を行っています。
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