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KYCとは?本人確認手続きの登録手順・eKYCとの違い【図解】

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この記事のポイント

KYCとは「Know Your Customer」の略称で、マネーロンダリング等の不正利用を防ぐために企業が実施する本人確認手続きの総称であり、近年は法規制に対応しつつユーザー離脱を防ぐオンライン完結型のeKYCを導入する手法が主流となっています。

KYCとは?本人確認手続きの登録手順・eKYCとの違い【図解】

KYCとは何か、具体的な手続きやeKYCとの違いを詳しく知りたいと考えていませんか。あわせて、複雑な法規制に対応しながらユーザーの離脱を防ぐ、効率的な導入方法も把握しておきたいところです。

こうした疑問を解決するために、最新の情報をお届けします。

本記事の内容

  • KYCの意味とeKYC・KYBとの違い
  • 犯罪収益移転防止法などの導入目的
  • 離脱を防ぐシステム導入のポイント

KYCとは「Know Your Customer」の略称であり、銀行口座の開設やサービスの新規登録時に行われる公的な本人確認手続きを指します。以前は銀行や金融機関での実施が一般的でしたが、現在は仮想通貨取引や幅広いビジネスシーンで欠かせないプロセスとなりました。

2026年最新の法規制に基づき、企業がセキュリティ強化とユーザーの利便性を両立させるための最適なシステム運用や、効率的なKYC登録の手法を分かりやすく解説します。ぜひ最後まで読み進めてください。

KYCとは

KYC(Know Your Customer)とは、直訳で「顧客を知る」という意味です。キャッシュレス決済の導入が拡大する中で、銀行や証券会社などの金融機関をはじめ、多様なビジネスシーンで実施される「本人確認手続き」の総称を指します。

2026年現在、マネーロンダリングやテロ資金供与を防止する対策として、KYCの重要性は非常に高まっています。金融分野や決済端末の比較が必要な実店舗決済だけでなく、仮想通貨の取引や不動産売買、中古品買取など幅広い企業で導入が進んでいる状況です。

  • 金融犯罪の防止:マネーロンダリングや詐欺などの不正取引を防ぐ
  • コンプライアンスの遵守:犯罪収益移転防止法などの法令に基づいた運用を行う
  • 利用者保護:なりすまし被害から正当なユーザーを守る

KYCは、事業者がリスクを管理し、社会的な信頼性を維持するために不可欠なプロセスといえます。

顧客の身元確認

KYCの核心は、身元確認と当人認証という2つの要素です。これらを組み合わせることで、手続きを行う人物が実在する本人であることを確実に証明します。

身元確認と当人認証の違いは、以下の表の通りです。

項目内容主な確認手段
身元確認氏名、住所、生年月日などの情報が正しいかを確認する運転免許証やマイナンバーカード、パスポート
当人認証手続きをしているのが情報を持つ本人かを確認する顔認証(生体認証)やSMS認証、パスワード

身元確認では、公的な証明書を用いて個人の実在性を担保します。当人認証では、なりすましを防ぐためにリアルタイムでの顔写真撮影やデバイス認証が実施される仕組みです。

オンラインで完結するeKYC

近年、急速に普及しているのがオンラインで完結するeKYCです。スマートフォンやWebブラウザを通じて、対面や郵送なしでKYC登録を完了できるシステムを指します。

eKYCを導入すると、ユーザーと事業者の双方に大きなメリットが生まれます。

  • ユーザー側のメリット
    1. 郵送の手間がなく、24時間いつでも即時に手続きできる
    2. カメラで書類と顔を撮影するだけで終わるため利便性が高い
  • 事業者側のメリット
    1. 書類の郵送コストや人件費を大幅に削減できる
    2. 申し込みから利用開始までの時間が短縮され、ユーザー離脱を防げる

特に銀行口座の開設や仮想通貨の取引において、オンラインで完結するeKYCを理解し導入することが標準的な手続きとなっています。2026年のビジネスプラットフォームにおいて、欠かせない技術と言えるでしょう。

企業間取引向けのKYB

法人との取引において重要視されるのが、KYB(Know Your Business)です。これは取引先企業の身元や実在性、事業内容、実質的支配者を確認するプロセスを指します。

法人取引はマネーロンダリングのリスクがあるため、個人よりも詳細なKYC手続きが求められます。主な確認項目は以下の通りです。

  • 法人の基本情報:名称や本店所在地、法人番号
  • 事業内容と取引目的:事業の実態と取引が必要な理由
  • 実質的支配者の特定:経営を支配している個人の身元情報
  • 登記情報などの公的書類:履歴事項全部証明書や印鑑証明書の照合

現在は、登記データと連携して瞬時に情報を照会できるシステムも普及しています。KYBの徹底は、犯罪組織との取引リスクを回避し、健全なビジネスを構築するために極めて重要です。

KYCがビジネスで求められる目的

ここでは、企業がKYCを実施する目的について詳しく見ていきましょう。銀行などの金融機関や仮想通貨取引所、不動産業といった特定の業種では、取引開始時にKYCの実施が求められます。

現在はデジタル化が進み、オンラインで完結するeKYCの重要性が高まっています。企業がKYCを行う目的は、法令遵守と犯罪抑止を通じて自社の信頼性を守ることにあります。

犯罪収益移転防止法への対応

特定の業種において、KYC登録や確認の手続きは法律で定められた義務です。日本には犯罪収益移転防止法という法律があり、犯罪組織への資金流入を防ぐ仕組みが整っています。

この法律により、金融機関や特定の事業者は顧客の身元を確認しなければなりません。犯収法の対象となる主な事業者は以下の通りです。

  • 銀行・証券会社・保険会社などの金融機関
  • 仮想通貨(暗号資産)交換業者やQRコード決済の導入を行う企業
  • 不動産売買やクレジットカード事業者
  • 貴金属・宝石販売業者
  • 電話転送サービス事業者

これらの事業者は、新規契約や高額取引の際に適切なKYCを実施する必要があります。KYCへの対応は、企業が適法にビジネスを継続するための大前提と言えます。

マネーロンダリングの防止

KYCシステムの最も重要な役割の一つは、マネーロンダリングの防止です。資金洗浄は犯罪で得たお金の出所を隠す行為であり、これを防ぐには顧客の正当な把握が欠かせません。

KYC手続きによって顧客の身元や取引目的を正しく把握すれば、不自然な資金の動きを早期に検知できます。金融機関は顧客のリスク評価を行い、疑わしい場合には詳細な調査を実施します。

こうした対策により、自社のサービスが犯罪の道具として悪用される事態を未然に防げるはずです。健全な取引環境を維持するために、厳格な顧客確認が求められています。

テロ資金供与の防止

KYCとは金融の枠を超えて、国際的な安全保障を守るための不可欠な手段です。テロ組織への資金流入を阻止することは、世界共通の重要な課題となっています。

テロ資金供与対策では、顧客が国際的な制裁対象者リストに含まれていないかを厳密に照合します。多くのKYC企業では、以下の対策を組み合わせてリスクを排除しています。

  1. 顧客名簿と制裁対象者リストの照合
  2. 送金APIなどを経由した送金先や送金目的の厳格な確認
  3. 疑わしい取引の当局への報告

徹底した確認作業は、一企業の枠を超えて国際社会の安全を守る防御壁として機能します。テロの脅威から社会を守るため、各企業には高い意識が求められている状況です。

不正利用の防止

KYCの実施は、第三者によるなりすましや詐欺などの不正利用からユーザーを守るために有効です。口座開設時に厳格な確認を行うことで、架空名義や他人の名義を用いた不正な口座作成を阻止できます。

近年はフィッシング詐欺が増加しており、オンライン本人確認であるeKYCの精度向上が急務です。現在の本人確認手法の動向を以下の表にまとめました。

手法概要今後の動向(2027年4月~)
ホ方式書類画像と顔写真を送信セキュリティ維持のため原則廃止
ワ方式マイナンバーカードのICチップ読み取り本人確認の主流となる方式
対面確認窓口で身分証を直接確認対面サービスにおいて継続

これまで主流だった画像送付による確認は、偽造対策のため2027年4月に廃止されます。今後はマイナンバーカードのICチップを利用する、より強固な方式が標準となる見込みです。

企業の社会的信用の維持

KYCは企業の社会的信用を維持するために不可欠な要素と言えます。自社サービスが犯罪に利用されニュースになれば、ブランドイメージは一瞬で失墜するからです。

法令違反による罰則だけでなく、利用者や取引先からの信頼を失うことはビジネスにおいて最大の損失です。適切なKYC体制を構築することは、企業に以下のメリットをもたらします。

  • コンプライアンス意識が高い企業としての評価
  • 不正利用の少ない安全なプラットフォームとしての安心感
  • リスクマネジメント体制の証明

KYCを単なるコストと捉えるのではなく、企業の信頼を担保する投資と考えるべきです。持続可能な成長を支えるための基盤として、適切な運用が強く求められています。

KYCの登録手順

ここまで、KYCが求められる背景を解説してきました。ここからは、実際の登録がどのような流れで進むのか、一般的なKYC手続きを見ていきましょう。

日本では犯収法に基づき、マネーロンダリング防止などを目的とした厳格な運用が行われています。オンラインで完結する本人確認はeKYCと呼ばれ、ユーザーが安全にサービスを利用するために欠かせないプロセスです。

① ユーザーの基本情報を入力する

KYC登録の第一段階は、ユーザー自身の属性情報を正確に申告することです。これは身元確認の基礎となるデータであり、後の審査工程で本人確認書類と照合される重要な情報と言えます。

主に以下の項目を入力することが求められます。

  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 取引の目的
  • 職業および勤務先情報

現在はマイナンバーカードを利用した公的個人認証サービスの導入が進んでいます。ICチップを読み取るため手入力の手間が省け、より正確な情報の取得が可能です。

② 本人確認書類をアップロードする

入力した基本情報が事実であることを証明するために、公的な本人確認書類を提出します。KYCシステムの高度化により、現在はICチップの読み取りが推奨されるようになりました。

確認方法主な使用書類特徴
ICチップ読み取り方式マイナンバーカード、運転免許証偽造が困難でセキュリティが非常に高い
画像アップロード方式運転免許証、パスポートスマホで撮影するのみで手軽だが順次廃止傾向

2027年4月の画像方式廃止を見据え、多くのKYC企業がICチップ利用方式への移行を進めています。

③ 顔写真で本人認証を行う

書類提出と併せて、操作している人物が本人であることを証明する当人認証が行われます。これは不正ななりすましや写真の悪用を防ぐために不可欠な工程です。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. スマートフォンのインカメラを起動する
  2. 画面の指示に従い自分の顔を正面から撮影する
  3. 首を振るなどのアクションで生体であることを証明する

この顔認証データと書類のデータを照合することで、本人性が担保されます。

④ 申請データをもとに審査する

すべてのデータが揃った後、事業者側による最終的な審査が行われます。これは単なる不備の確認ではなく、リスク管理の観点から非常に重要なプロセスです。

審査で見られる主なポイントは以下の通りです。

  • 入力情報と書類の記載内容に矛盾がないか
  • 提出書類が有効期限内で偽造の形跡がないか
  • 反社会的勢力との関わりや過去の不正履歴がないか

審査が完了すると、ユーザーはサービスの全機能を利用できるようになります。eKYCの普及により、現在では最短即日から数分程度で完了するケースも珍しくありません。

KYCとは

ここまで解説してきた通り、KYCとは「Know Your Customer」の略称であり、事業者が顧客の身元を確認する一連の手続きの総称です。仮想通貨取引所や不動産業、中古品買取業など、犯罪収益移転防止法の対象となる業種で特に重視されています。

主な目的は、マネーロンダリングやテロ資金供与といった不正取引の防止にあります。また、多くの事業者ではオンラインで完結するeKYCへの移行が進み、法人取引ではKYBとの組み合わせも一般的になりました。

KYCへの理解を深めることは、自社に適した本人確認システムを選定する第一歩です。次章では、実際にシステムを導入する際に押さえておきたいポイントを解説します。

KYCシステム導入のポイント

KYCシステムを導入する際は、法規制への準拠とユーザー体験のバランスが大切です。2027年4月には法改正により、従来の画像送信による確認手法が原則廃止される見込みとなっています。

今後はマイナンバーカードのICチップを活用した公的個人認証への移行が必要です。これを前提としたシステム選定が、今後のビジネス継続において不可欠な要素となります。

離脱を防ぐ操作性

KYCの手続きが複雑だと、ユーザーは途中で入力を断念してしまいます。顧客の離脱を防ぎ、スムーズに登録を完了させるための操作性は非常に重要です。

従来の郵送方式と最新のeKYCでは、完了までのスピードや手間に大きな違いがあります。

項目従来の郵送方式eKYC(オンライン完結)
本人確認の所要時間数日から1週間程度数分から即日
ユーザーの手間書類コピーとポスト投函スマホでの撮影や読み取り
離脱リスク非常に高い比較的低い

ユーザー体験を向上させるには、進捗状況の可視化やガイド動画の設置が効果的です。誰でも迷わず操作できる設計が、サービスのコンバージョン率を大きく左右します。

適切な運用コスト

システムの導入には、将来の法改正対応を見据えた運用コストの算出が求められます。単に初期費用を抑えるだけでなく、メンテナンス性やリスク低減を考慮して判断すべきです。

KYC業務のコスト構造には、主に2つのアプローチが存在します。

  • 自社開発:カスタマイズは自由だが、法改正のたびに改修コストや審査人員が必要
  • 外部ベンダー利用:最新の法令に自動対応するため、開発負荷とリスクを軽減できる

2027年の新基準への対応を考えると、専門ベンダーのソリューション活用が有効です。管理コストの最適化とともに、企業のコンプライアンス強化を同時に実現できます。

実装にかかる開発工数

KYCシステムの実装には、高度な技術理解と広範な開発工数が必要となります。特にICチップ読み取り方式への移行には、端末対応やセキュリティ要件のクリアが欠かせません。

システム構築時には、NFC機能の実装やAPI連携といった項目を検討する必要があります。

  • NFC機能:スマホでマイナンバーカードを読み取るための技術対応
  • API連携:公的個人認証サービスや決済APIなどと自社システムを繋ぐ開発
  • リスク評価:取得した情報を元に不正を検知する仕組みとの統合

開発工数を削減するには、開発キットが充実したサービスを選ぶのが近道です。2026年のうちに準備を進めることで、法改正時のトラブルを防ぎ信頼を守ることができます。

まとめ:KYCとは不正を防ぐための身元確認手続き

ビジネスにおいて欠かせないKYCとは何か、基本的な定義や実施の目的、具体的な登録手順を詳しく解説しました。近年はオンラインで完結するeKYCが普及しており、銀行や仮想通貨取引などの金融場面でも重要性が高まっています。

マネーロンダリング防止といったコンプライアンス遵守と、ユーザーの利便性向上を両立させることが企業の課題です。効率的なKYCシステムを導入すれば、本人確認の手続きをスムーズに進められるでしょう。

本記事のポイント

  • KYCとはKnow Your Customerの略称で、法令に基づき顧客の身元を確認する一連の手続き
  • 犯罪収益移転防止法への対応や不正利用の防止など、企業の社会的信用を維持するために必須
  • 導入時はユーザー離脱を防ぐ操作性や運用コスト、実装にかかる開発工数の検討が重要

この記事を通じて、KYCの正確な意味や手順を理解し、自社に最適な選定基準が明確になったはずです。適切な仕組みの構築は、強固なセキュリティ環境とスムーズな顧客体験の提供につながります。

まずは自社の要件に合わせたツール選びから始めてみてください。詳細な比較資料や導入事例については、お気軽にお問い合わせをお待ちしております。

「KYCとは」に関するよくある質問

参考文献

  1. 犯罪収益移転防止法におけるオンラインで完結可能な本人確認方法に関するFAQ
  2. マネー・ローンダリング/テロ資金供与 対策ハンドブック
  3. 【2027年4月改正予定】犯収法(犯罪収益移転防止法)とは?本人確認方法の改正ポイントをわかりやすく解説

執筆者

Tech With 編集部
Tech With 編集部

編集部

クロステック(産業×テクノロジー)の専門メディア「Tech With」の公式編集部です。多角的なリサーチと、各バーティカル(建設・農業・金融等)の現場キーマンへの丁寧な取材を通じ、DX推進や先端技術導入の全体像を分かりやすく体系化して皆さまにお届けします。

監修者

Tech With リサーチチーム
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リサーチチーム

クロステック(産業×テクノロジー)の市場動向や先端事例、補助金情報などを多角的に調査・分析する専門チーム。AIを活用した網羅的リサーチと、現場取材に基づく一次データを組み合わせ、ビジネスの意思決定を支援する独自レポートや体系的なガイドラインの作成・監修を行っています。

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