教育スタートアップとは?国内の注目企業と参入の視点を解説
この記事のポイント
教育スタートアップは特定の学習領域や社会課題への特化を強みとする新興企業です。atama plusやNowDoなどが代表例で、toB・toCの事業領域や収益モデルを踏まえた参入検討が重要になります。
「教育スタートアップと聞くけれど、大手教育企業と何が違うのか、どんな企業があるのか具体的に分からない」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 教育スタートアップの定義と特徴
- 国内の注目企業と主な事業領域
- 参入時の視点と支援策
教育スタートアップとは、特定の学習領域に特化し、機動力を活かして事業を展開する新興企業のことです。
代表的な企業や事業領域を押さえれば、投資や提携、就職・起業の判断材料として活用できます。最後まで読み進めてください。
教育スタートアップとは何か
教育スタートアップとは、エドテックを活用して教育分野の社会課題解決を目的として設立された新興企業のことです。小中高生の自習・受験対策から社会人の学び直しまで、幅広い課題に対して事業を展開しています。
既存の教育企業との違い
大手教育企業が幅広い年代・科目を総合的にカバーするのに対し、教育スタートアップは特定の学習領域や課題に特化する傾向があります。
意思決定のスピードが速く、生成AIの学校現場への導入など、最新技術をいち早く取り入れたサービス開発を進めやすい点も特徴です。教師や学習者の環境そのものを変えることで、学校教育や企業研修の現場を変革することを目指す企業が多く見られます。
教育スタートアップが目指す社会課題の解決
教育スタートアップが取り組む社会課題は多岐にわたります。企業においては、従業員への教育機会の提供や、スタディログ(学習履歴)を活用した個々の進捗管理・学習成果の可視化が不十分であることへの対応が代表的な例です。
学校現場においては、教員の負担軽減や、アダプティブラーニングなど生徒一人ひとりに合わせた学習支援の実現を目指す企業もあります。生涯学習の促進をミッションに掲げる企業も存在し、対象とする課題の広さも教育スタートアップの特徴のひとつです。
国内の注目教育スタートアップ
国内には、特定の学習領域に強みを持つ教育スタートアップが数多く存在します。
学習領域に特化した企業
atama plusは、AIドリルの進化系ともいえるAI教材「atama+」で学習者ごとの基礎学力習得を最適化するスタートアップです。三井物産で教育事業を担当した経歴を持つ人物が2017年に設立し、国内のEdTech市場をリードする存在になっています。
NowDoは、プロサッカー選手の本田圭佑氏が代表を務める企業で、通訳や地方創生など多様な分野で活躍する人物の講義をライブ配信するサービスを提供しています。子どもたちが社会で役立つ知識や姿勢を学べる場を目指しています。
スピークバディは、AIキャラクターとの対話を通じて英語の発音やフレーズを学べるAI英会話アプリを展開する企業です。
資金調達が活発な企業
NowDoは2021年にシード段階で4.8億円の資金調達を実施しました。atama plusは大型の資金調達を重ね、累積調達額は数十億円規模に達しています。
スピークバディも第三者割当増資による資金調達を実施するなど、教育スタートアップ各社は継続的な資金調達を通じてサービス開発への投資を進めています。資金調達額の規模は、企業の成長性を見極める材料のひとつになります。
教育スタートアップの主な事業領域
教育スタートアップが手掛けるサービスは、大きく2つの対象に分けて整理できます。
toB(学習塾・教育機関)向けサービス
toB向けサービスは、既存の学習塾や教育機関に向けたサービスです。通塾するスタイル自体を変えず、講師の人材不足の解消や、既存カリキュラムの効率化・理解促進を目的として提供されています。
学習進捗を可視化するツールや、教育事業者向けの管理システムなどが代表的な例です。
toC(学習者・社会人)向けサービス
toC向けサービスは、学習者本人や社会人を対象としたサービスです。学習記録を可視化するアプリや、動画授業による理解促進を目的としたサービスなどがあります。
社会人向けのプログラミング学習サービスは、大学生や社会人を対象としたスクールと、子ども向けにプログラミングやロボット学習を提供する企業とに分かれます。自主学習を支援する仕組みが中心となる点が、toB向けサービスとの大きな違いです。
教育スタートアップへの参入と支援策
教育スタートアップへの参入や提携を検討する際は、いくつかの視点と支援策を押さえておくとよいでしょう。
参入する際の視点
まず、サブスクリプション型や課金型のオンラインコースなど、収益源を明確にしたビジネスモデルを構築することが重要です。教育機関や企業との連携は、信頼性を高め新たな顧客を開拓する手段になります。
市場調査を通じてターゲット層のニーズを把握したうえで、既存のEdTech企業の動向も参考にしながら自社が解決したい社会課題とサービス内容を一致させることが、参入を成功させるポイントです。
政府による起業支援策
政府は「スタートアップ育成5か年計画」に基づき、大学等の研究成果を基にしたスタートアップ・エコシステムの創出を支援しています。文部科学省は、アントレプレナーシップ教育の充実にも取り組んでいます。
経済産業省と文部科学省は、アントレプレナーシップ教育を推進する団体のノウハウやネットワークを共有する「Japan Entrepreneurship Alliance」を発足させ、全国での効果的な教育実施を目指しています。こうした支援策は、教育分野での起業を後押しする土台になっています。
まとめ:教育スタートアップは特定領域への特化で成長する
本記事では、教育スタートアップの定義から国内の注目企業、事業領域、参入時の視点や支援策までを解説しました。
本記事のポイント
- 教育スタートアップは特定の学習領域や社会課題への特化を強みとする
- atama plusやNowDoなど国内に多様な注目企業が存在する
- toB・toCの事業領域と収益モデルを踏まえた参入検討が重要
教育スタートアップの特徴を押さえれば、投資や提携、就職・起業といった目的に合わせた判断がしやすくなります。
紹介した企業や視点を参考に、教育スタートアップとの関わり方を検討してみてください。
教育スタートアップに関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
クロステック(産業×テクノロジー)の専門メディア「Tech With」の公式編集部です。多角的なリサーチと、各バーティカル(建設・農業・金融等)の現場キーマンへの丁寧な取材を通じ、DX推進や先端技術導入の全体像を分かりやすく体系化して皆さまにお届けします。
監修者
リサーチチーム
クロステック(産業×テクノロジー)の市場動向や先端事例、補助金情報などを多角的に調査・分析する専門チーム。AIを活用した網羅的リサーチと、現場取材に基づく一次データを組み合わせ、ビジネスの意思決定を支援する独自レポートや体系的なガイドラインの作成・監修を行っています。
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