教育用タブレットのOS比較・iPadとChromebookどっちを選ぶ
この記事のポイント
教育用タブレットはiPadOS・ChromeOS・Windowsの3種類が主流で、第2期はChromeOSが約6割。実現したい学びと運用体制、費用や補助金を踏まえてOSを選ぶことが重要。
「教育用タブレットを導入したいけれど、iPadとChromebookとWindowsのどれを選べばいいのか分からない」「価格やメリットだけでなく、運用の負担まで見極めたい」と悩んでいませんか。
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 教育用タブレットのOSごとの違いと選び方
- 導入で得られるメリットと注意すべきデメリット
- 費用や補助金を踏まえた比較のポイント
教育用タブレットは、実現したい学びと運用体制に合わせてOSを選ぶことが失敗を避ける近道です。
本記事を読めば、3種類のOSを費用や管理のしやすさまで含めて比較でき、自校に合った1台を判断できるようになります。まずは種類ごとの違いから見ていきましょう。
教育用タブレットの種類とOSごとの違い
教育用タブレットは、搭載するOSによって性格が大きく異なり、ict活用教育の基盤となる重要なツールです。GIGAスクール構想の学習者用端末で採用されるのは、主にiPadOS、ChromeOS、Windowsの3種類です。MM総研の調査では、第2期のOSシェアはChromeOSが60%、iPadOSが31%、Windowsが10%となり、第1期からChromeOSが18ポイント伸びる一方でWindowsが19ポイント減りました。まずは3つのOSの違いを押さえることが、比較検討の出発点になります。
| OS | 端末の呼び名 | 起動の速さ | アプリの傾向 | 得意な用途 |
|---|---|---|---|---|
| iPadOS | iPad | 約15秒 | 教育アプリが豊富 | 撮影や表現活動 |
| ChromeOS | Chromebook | 約10秒 | クラウド版が中心 | 調べ学習や共同編集 |
| Windows | Windowsタブレット | やや遅め | 既存ソフトと互換 | 文書作成や高度な作業 |
iPadOSの特徴
iPadOSはタブレットとしての操作性が高く、直感的に扱える点が強みです。低学年の児童でも指で画面に触れて操作でき、説明に時間を取られにくいという声が現場から挙がっています。カメラの品質が高く、写真や動画を使った表現活動に向いています。デジタル教材や教育用アプリの数が3種類のOSの中で最も多い一方、キーボードを使った長文の文書作成にはやや不向きです。
ChromeOSの特徴
ChromeOSはGoogleが提供するクラウド前提のOSで、Chromebookに搭載されています。約10秒で起動し、動作が軽快なため、電源のオンオフを繰り返す授業でも進行を妨げません。アプリはブラウザ上で動くWeb版が中心で、オンライン授業ツールやGoogleの各種サービスと相性が良い点が特徴です。インターネット接続を前提とするため、Wi-Fiがない環境では使える機能が限られます。
Windowsの特徴
WindowsはパソコンでおなじみのOSで、プログラミング教材や既存の教育用ソフトウェアとの互換性が高いことが強みです。キーボードとマウスによる操作に対応し、文書作成や高度な作業に適しています。教員が普段の校務で使い慣れている場合が多く、移行の負担が小さい点も評価されています。OSの容量が大きいため、同程度のスペックではiPadやChromebookより動作が重くなりやすい傾向があります。
教育用タブレットの選び方で重視するポイント
教育用タブレットは、価格の安さだけで選ぶと運用の段階で負担が増えます。文部科学省の補助基準額は1台あたり5.5万円で、この枠の中で教育効果と運用コストのバランスを取ることが求められます。選定時は次の4つの視点を総合的に見比べると、失敗を避けやすくなります。
- 授業でどんな学びを実現したいか
- 日々の管理をどれだけ楽にできるか
- 導入から更新までの総費用に無理がないか
- 児童生徒を守るセキュリティを確保できるか
教育効果で選ぶ
最初に考えるべきは、タブレットで実現したい学びの姿です。写真や動画を使った表現活動を重視するならiPad、調べ学習や共同編集を中心にするならChromebookというように、授業のねらいとOSの得意分野を合わせます。steam教育など児童生徒の学習活動を最大限に支援できるかどうかが、教育効果を左右する判断軸になります。
運用と管理のしやすさで選ぶ
学校現場はIT専任者が置きにくく、数千台規模の端末を少人数で管理する状況が珍しくありません。そこで重要になるのがMDM(モバイルデバイス管理)です。MDMは端末の設定やアプリ配布を遠隔で一括実行できる仕組みで、年度更新の初期設定を大幅に効率化します。lmsとは何かを理解しシステムを連携させれば、学年やクラスごとに異なる利用ルールを設定できるため、低学年には厳しめ、高学年にはやや緩めといった運用も可能です。
コストと補助金で選ぶ
端末の費用は本体価格だけで判断できません。MM総研の調査では、市区町村の48%が端末価格の高騰を懸念しており、円安の影響で単価が上がっています。本体価格に加え、管理ソフトや保守、更新までを含めた総保有コスト(TCO)で比較することが大切です。補助金の5.5万円をどう配分するかを、長期の視点で検討します。
| 選定の観点 | 見るべき内容 |
|---|---|
| 本体価格 | 補助基準額5.5万円との差 |
| 管理コスト | MDMや保守にかかる費用 |
| 更新費用 | 数年後の再調達を見込んだ負担 |
セキュリティ対策で選ぶ
デジタル教科書導入時と同様に、児童生徒の個人情報を扱う以上、セキュリティの確保は欠かせません。MDMのリモートロックやワイプ機能を使えば、紛失や盗難の際に遠隔で端末をロックしたり初期化したりできます。有害サイトを遮断するフィルタリングや、許可したアプリだけを使える制限も基本の対策です。監視ではなく見守りという視点で、児童生徒の安全と学びの自由を両立させる設計が理想的です。
教育用タブレットを導入するメリット
教育用タブレットの導入は、紙の教材だけでは難しかった学びを実現します。GIGAスクール構想が掲げる「個別最適な学び」と「協働的な学び」を、1人1台の環境が下支えします。ここでは代表的な3つのメリットを整理します。
個別最適化された学びを実現する
教育vrのように、タブレットの大きな利点は、一人ひとりの理解度に合わせた学習ができることです。AIが正誤や解答時間を分析し、その子に適した問題を出題する仕組みが広がっています。ベネッセのチャレンジタッチでは、2026年度から個々にアドバイスを返すAI機能が導入されました。自分のペースで進められるため、つまずきを残さずに学習を積み上げられます。
学習意欲を引き出す
ゲーミフィケーション教育のように、情報を映像や音声で多角的に捉えられる点も、タブレットならではの強みです。動画やアニメーションで説明されると、文字だけの教材よりも内容が頭に入りやすくなります。1人1台の環境では端末に触れる時間が増え、試行錯誤が活発になります。こうした体験が、学ぶこと自体への前向きな気持ちを育てます。
教員の負担を軽減する
タブレットは教員の業務も助けます。児童生徒の解答をリアルタイムで把握でき、どこでつまずいたのかがその場で分かるため、指導の質を落とさずに手間を減らせます。採点や集計を自動化できる場面も多く、授業準備や事務作業の時間短縮につながります。ICTサポートスタッフや相談窓口を整えると、活用の幅がさらに広がります。
教育用タブレットを導入するデメリット
教育用タブレットには課題もあります。事前に把握して対策を講じれば、多くは軽減できます。ここでは導入前に知っておきたい3つのデメリットを取り上げます。
健康面への影響が生じる
画面を長時間見続けることは、視力や姿勢に影響します。文部科学省の学校保健統計調査では、裸眼視力が1.0未満の小学生の割合が2015年度の30.9%から37.5%へと増えました。目の疲れや姿勢の悪化も懸念されています。文部科学省は30分に1回はタブレットから目を離し、20秒以上遠くを見ることを勧めており、こうした習慣づけが対策になります。
学習以外の利用で集中力が低下する
タブレットには学習以外のアプリやサイトへ向かってしまう誘惑があります。授業中にゲームや動画に気を取られると、集中力が続きません。この課題はMDMのフィルタリングやアプリ制限で軽減できます。許可したアプリだけを使える設定にすれば、学びに集中できる環境を保ちやすくなります。
環境整備とサポートに負担がかかる
タブレットの効果を引き出すには、Wi-Fi環境や充電設備などの整備が欠かせません。特にChromebookはインターネット接続が前提のため、通信環境が整っていないと機能が限られます。故障やトラブルへの対応、教員のICTリテラシーの差も現場の負担になります。研修やサポート体制を用意して、はじめて安定した運用が実現します。
まとめ:教育用タブレットは目的に合うOSと運用体制で選ぶ
本記事では、教育用タブレットの種類とOSごとの違い、選び方のポイント、導入のメリットとデメリットを解説しました。iPadOS、ChromeOS、Windowsにはそれぞれ得意分野があり、実現したい学びと運用体制に合わせて選ぶことが大切です。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- OSは教育効果と運用のしやすさで選ぶ
- 費用は本体価格だけでなく総保有コストで比較する
- 健康面や集中力の課題はMDMや習慣づけで軽減できる
これらを押さえれば、価格の安さだけに惑わされず、自校の授業や管理体制に本当に合うタブレットを見極められます。導入後の負担まで見通した選定が、児童生徒の学びを支えます。
教育用タブレットの導入や比較でお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。具体的な選定や運用に役立つ資料もご用意しています。
教育用タブレットに関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
クロステック(産業×テクノロジー)の専門メディア「Tech With」の公式編集部です。多角的なリサーチと、各バーティカル(建設・農業・金融等)の現場キーマンへの丁寧な取材を通じ、DX推進や先端技術導入の全体像を分かりやすく体系化して皆さまにお届けします。
監修者
リサーチチーム
クロステック(産業×テクノロジー)の市場動向や先端事例、補助金情報などを多角的に調査・分析する専門チーム。AIを活用した網羅的リサーチと、現場取材に基づく一次データを組み合わせ、ビジネスの意思決定を支援する独自レポートや体系的なガイドラインの作成・監修を行っています。
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